糖鎖のチカラ – 燕の巣 サイエンス・ラボ

外敵の体内侵入をキャッチするアンテナ「糖鎖」とは?

免疫の最前線で働く「糖鎖(とうさ)」

健康と美の維持には、免疫力を高めておく必要があります。そのために、免疫細胞を強くすることも大切ですが、まず「糖鎖」が正常に作用することが重要とわかってきています。 糖鎖は「ポストゲノム」として、これまでにない新しい治療技術の開発が世界中で期待されています。実際に、アメリカを中心に巨額の国家予算が投じられ、すでに7,000を超える報告が発表されています。日本では文部科学省が2006年から「糖鎖新薬」の研究開発を進めています。

その糖鎖の特徴が、免疫システムの最前線で働いているという点です。糖鎖は細胞の一部で、私たちの身体を構成する60兆個もの細胞の1つひとつの表面に、産毛のようにびっしりついています。名前が示すとおり、ブドウ糖や乳糖といった単糖が鎖のようにつながってできています。

役割(1) 糖鎖は病気の見張り番(異変キャッチ)

糖鎖はいくつもの働きをしていますが、そのうちの重要な1つが、身体に良いものと悪いものの選別です。高性能アンテナのように、細菌の侵入や病気などの危険を察知する、免疫システムの第1歩を担っているのが糖鎖なのです。糖鎖が正常に作用していると身体の異常を素早くキャッチできますが、糖鎖が弱っていると、危機に気付くことができません。

役割(2) 免疫を働かせる司令塔(免疫細胞を発動)

キャッチした情報を他の細胞へと伝達するのも糖鎖の仕事。有害なものを発見した糖鎖が指令を出すことで、免疫細胞は発動します。糖鎖が働かないと免疫システムは機能せず、体調は悪くなってしまいます。また、糖鎖に異常があると、細胞間の情報伝達が不完全になって、自己細胞を異物とみなしたり、攻撃中止の指令が届かずに正常な細胞を攻撃してしまうことがあります。これが、ぜんそくやアレルギーといった自己免疫疾患の原因です。

ストレスや生活習慣で減少する糖鎖

病気を防ぎ、健康でいるために重要な働きをする糖鎖は、長くなるにしたがって、構造は複雑になり、さまざまな情報を受け入れることができるようになると考えられています。しかし、加齢によって糖鎖は短くなり、免疫機能の低下をもたらします。若くても、疲れていたり、いい加減な食生活で、糖鎖は短くなってしまうのです。逆にいえば、食生活や生活習慣が良いと、糖鎖の長さは維持されます。すると、免疫システムがうまく機能するので、結果的に健康で長く生きることができるというわけです。

「糖鎖栄養素」の摂取で、糖鎖を正常に!

自然界にある200種以上の単糖の内、糖鎖を構成しているのは8種類で、「糖鎖栄養素」と呼ばれます。糖鎖は糖鎖栄養素の複雑な組み合わせでできており、そのつながり方の違いによって、身体のさまざまな情報を分別・整理・伝達しています。糖鎖を長くして、正常に機能させるには、糖鎖栄養素の摂取が有効と言われます。

糖鎖の先端で重要な働きをする「シアル酸」

糖鎖のエース的存在「シアル酸」

「シアル酸」は糖鎖栄養素の1つです。糖鎖は8種の単糖がさまざまに組み合わさってできていますが、シアル酸はほとんどの糖鎖の末端に存在しており、特に注目されています。

いろいろな免疫機能を高めて感染を制御するなど、糖鎖において重要な役割を果たしているシアル酸。糖鎖を伸ばすために有効な成分でもあります。また、シアル酸が存在し、かつ長い状態が保たれている糖鎖が、寿命の長さに関わってくるということもわかってきました。

「シアル酸」はヒトの唾液や母乳にも含まれている!

シアル酸は、生物が生きる上で不可欠な成分です。ヒトの唾液や母乳に含まれていて、免疫に関与するだけでなく、脳の発育に必須の成分でもあります。脳の神経細胞は幼少期に分裂を完了するので、子どもの発育期にシアル酸は欠かせません。シアル酸が母乳に含まれているのは、まさに理にかなっているといえるでしょう。また近年、うつ病の改善にもシアル酸は効果があると言われています。

「燕の巣」のシアル酸含有量はローヤルゼリーの200倍!?

糖鎖の先端で重要な働きをする注目の成分・シアル酸は、ヒトや動物の唾液、母乳の他、食べ物にも含まれています。中でもシアル酸高含有を誇るのが、中華料理の高級食材「燕の巣」です。健康食品として広く知られるローヤルゼリーもシアル酸を含有していますが、燕の巣にはなんとその200倍にものぼる量のシアル酸が含まれています。

オピニオンコラム

糖鎖栄養素の豊富な食べ物を摂取することで、短くなった糖鎖も伸びていく

相良 博典

昭和大学 医学部 内科学講座(呼吸器・アレルギー内科学部門)主任教授
昭和大学病院 呼吸器・アレルギー内科 診療科長

人間の寿命の長さと糖鎖の長さが比例していることがわかってきました。糖鎖が長く、かつうまく機能していることで、免疫機能が高まるためでしょう。もともと持っている糖鎖を伸ばしてパワーアップするには、食生活と生活習慣が大切です。食生活においては、糖鎖の材料である糖鎖栄養素の摂取が有効と考えられています。「燕の巣」など、糖鎖栄養素を豊富に含む食べ物で栄養を補うのが効果的です。